2011.12.22up
イラスト/大塚砂織

「夜寝るときは何を着ているの?」「シャネルのNo.5よ」
これは、マリリン・モンローの来日記者会見でのやりとりとして、また香水を語る上で欠かせない逸話の一つです。シャネルの5番は、大人になる前の私にとって憧れの香りでもありました。そしてシャネル自身もインタビューにこう答えています。「どんな女性にも香水は必要なもの。香水とはその人の個性であり、魅力なのです」。
身につけた瞬間から気分を上げたりリラックスしたり、時に異性へのアピールもしてくれる香水。好きが高じて“大人買い”までして集めたものの、なんと!精油が自分の日常生活に入りこんでからは、その香りが受けつけられなくなり、いくつものコレクションたちが友人の手に渡って行きました。
それからは精油の力を借りて、その時々のブレンドでオリジナルの香水を作るようになりました。精油には心・身体・肌へと働きかける効能があるので、その中から目的に特化したり、自分のインスピレーションで数種類を選び、オードトワレに仕立てます。市販の香水を使っていた頃はオードパルファンを使っていたこともありますが、近頃はほんのり香が残るトワレに人気があるようなので、手作りする際の濃度もそれにならっています。また作るたびにレシピは残していますが、使う季節、その時の心の在りよう、体調などによって香りに対する感じ方は変わりますから、お気に入りはコレ!と執着せずレシピはあくまでもガイドとして利用します。
オードトワレはエタノールに対する精油の濃度(賦香率)が5~10%程度、香りの持続は3~4時間くらいとされています(※数字には諸説あり)。自分でつくる場合もこの数字を参考にして、ホホバオイルと精油を使用しています。無水エタノールと精製水を使ったレシピもありますが、アルコールが少々苦手な私には肌にダメージの無いオイルタイプが合うようです。
数種類の精油をブレンドするポイントは、香りのタイプと揮発性(ノート)を知ること。これさえ把握しておけば精油同士の相乗効果が期待できるうえ、調和の取れた香りに仕上がります。
香りのタイプは7種類(柑橘系、ハーブ系、フローラル系、ウッディ系、スパイス系、エキゾチック系、バルサム系)に、ノートは3種類(トップ、ミドル、ベース)と分かれます。香りの立ち方によって持続時間は異なり、トップ=つけ始めから20~30分持続する“第一印象の”香り。ミドル=つけ始め数分後~4時間ほど持続する、香水の“キャラクター”になる香り。ベース=香りの立ち上がりが遅く、12時間ほど安定的に香る“残り香”となっていきます。
初めてトライする場合は、この2つのポイントを把握しながら3~5種類くらいの精油を使ってみると良いですね。精油を選ぶ時間は実に楽しく、仕上がりを想像しながらあれこれと鼻を利かせているだけでもあっという間に数時間が経っていてびっくり。出来上がった香水もすぐには使わず、冷暗所で寝かせて香りを熟成させるのですが、時とともに変化する香りを実感するのも私の好きなひと時です。完成したら、携帯に便利なアトマイザーを利用してお出かけ先でもオリジナルの香りで、あなたらしさを演出してみてください。
| 【材料】(甘くロマンティックな香り) | |
|---|---|
| ホホバオイル | 10ml(ティースプーン約2杯) |
| オレンジ・スィート (柑橘系・トップ)の精油 |
3滴 |
| レモングラス (柑橘系・トップ)の精油 |
1滴 |
| ゼラニウム(フローラル系・ ミドル)の精油 |
5滴 |
| ジャスミン(フローラル系・ ベース)の精油 |
2滴 |
| イランイラン(エキゾチック系・ ベース)の精油 |
1滴 |
| 【材料】(優しくリラックスする香り) | |
| ホホバオイル | 10ml(ティースプーン約2杯) |
| グレープフルーツ(柑橘系・ トップ)の精油 |
5滴 |
| ラベンダー(フローラル系・ ミドル)の精油 |
4滴 |
| カモミールローマン(フローラル系・ミドル)の精油 | 3滴 |
| フランキンセンス(バルサム系・ベース)の精油 | 4滴 |
| 【用具】 | |
| ビーカー、またはスポイト(オイルの計量用・ご家庭に無い方は、ティースプーン約2杯分が10ml) | 適宜 |
| グラスなど、材料を混ぜ合わせるための容器 | 適宜 |
| ガラス棒またはスプーン | 適宜 |
| 混ぜ合わせるときに使う 香水瓶 |
適宜 |
| ロールオンタイプの アトマイザー |
適宜 |
<フレグランス>
※つくってから3~4ヶ月くらいで使いきりましょう
学名 |
Citrus vulgaris |
植物分類 |
ミカン科 |
主産地 |
イスラエル、北アメリカ、南アメリカ、地中海地方 |
抽出部位 |
果皮 |
抽出法 |
圧搾法 |
主成分 |
リモネン、リナロール、シトラール(ヌートカトン) |
効能 |
緩和、消化器系機能調整 |
安全性 |
光毒性あり |
香りのタイプ: 柑橘系 / 香りのノート: トップ
学名 |
Cymbopogon citratus |
植物分類 |
イネ科 |
主産地 |
中国、マダガスカル、ガテマラ、スリランカ |
抽出部位 |
葉部 |
抽出法 |
蒸留法 |
主成分 |
シトラール、シトロネラール、ゲラ二オール、リナロール、フラボノイド |
効能 |
健胃、駆風、抗菌、矯味、矯臭 |
安全性 |
光毒性なし |
香りのタイプ: 柑橘系 / 香りのノート: トップ
学名 |
Jasminum grandiflorum |
植物分類 |
モクセイ科 |
主産地 |
モロッコ、エジプト、アルジェリア、フランス |
抽出部位 |
花部 |
抽出法 |
溶剤抽出法 |
主成分 |
酢酸ベンジル、リナロール、酢酸リナリル、ジャスモン、フラボノイド |
効能 |
高揚、ホルモン分泌調整 |
安全性 |
光毒性なし |
香りのタイプ: フローラル系 / 香りのノート: ベース
学名 |
Pelargonium odorantissimum |
植物分類 |
フウロソウ科 |
主産地 |
南フランス、モロッコ、レユニオン、南アフリカ |
抽出部位 |
葉部 |
抽出法 |
蒸留法 |
主成分 |
シトロネロール、ゲラニオール |
効能 |
防虫、緩和、ホルモン分泌調整 |
安全性 |
光毒性なし |
香りのタイプ: フローラル系 / 香りのノート: ミドル
学名 |
Cananga odorata |
植物分類 |
バンレイシ科 |
主産地 |
マダガスカル、フィリピン、ジャワ、スマトラ |
抽出部位 |
花部 |
抽出法 |
蒸留法 |
主成分 |
リナロール、ゲラニオール、ファルネソール、ベンジルアルコール、安息香酸メチル |
効能 |
緩和、高揚、ホルモン分泌調整 |
安全性 |
光毒性なし |
香りのタイプ: フローラル系 / 香りのノート: ミドル~ベース
学名 |
Citrus paradisi |
植物分類 |
ミカン科 |
主産地 |
イスラエル、ブラジル、アメリカ |
抽出部位 |
果皮 |
抽出法 |
圧搾法 |
主成分 |
リモネン、ヌートカトン |
効能 |
消化器系(肝臓、胆のう)機能亢進、活力増強 |
安全性 |
光毒性あり |
香りのタイプ: 柑橘系 / 香りのノート: トップ
学名 |
Lavandula angustifolia |
植物分類 |
シソ科 |
主な原産国 |
フランス、オーストラリア(タスマニア)、ブルガリア |
抽出部位 |
花部・葉部 |
抽出法 |
水蒸気蒸留法 |
主成分 |
リナロール、酢酸リナリル、ラバンジュロール |
効能 |
鎮静、鎮痙、抗菌 |
安全性 |
光毒性なし |
香りのタイプ: フローラル / 香りのノート: ミドル
学名 |
Anthemis nobilis |
植物分類 |
キク科 |
主産地 |
イギリス、イタリア、ドイツ、フランス、モロッコ |
抽出部位 |
花部 |
抽出法 |
蒸留法 |
主成分 |
アンゲリカ酸エステル、チグリン酸エステル |
効能 |
鎮静、緩和、鎮痙 |
安全性 |
光毒性なし |
香りのタイプ: ハーブ系(フルーティー) / 香りのノート: ミドル
学名 |
Boswellia carterii |
植物分類 |
カンラン科 |
主産地 |
ソマリア、エチオピア、イラン、レバノン、北アフリカ諸国、フランス |
抽出部位 |
樹皮から採取した樹脂 |
抽出法 |
蒸留法 |
主成分 |
ピネン、ボルネオール、ベルベリン、ベルベノール、オリバノール |
効能 |
鎮静、収れん、緩和、呼吸器系機能調整 |
安全性 |
光毒性なし |
香りのタイプ: バルサム系 / 香りのノート: ベース

野呂 雅代
ファッションスタイリストの仕事をするかたわら、昨年自宅でアロマトリートメントルームを開設。ヨガ歴6年。チンキ剤作りにはまって何年になるでしょうか。月桃の葉や柚子のたねも私の化粧水には欠かせない身近な材料です。

自由が丘にあるグリーンフラスコは、「緑の医学」をテーマに、日本にアロマテラピーとハーブの効用を科学的なデータも重視しながら普及させてきたことで信頼を集めるハーブショップです。

ハーブや精油は医薬品ではありません。医師から処方された薬の代わりに使ったり、治療のために使うことは避けてください。
また、妊娠中の人や重い病気の人、慢性的な病気のある人など、からだの健康状態が気になる人は、必要に応じて医療従事者に相談することをおすすめします。体質や体調、利用法などによっては、健康を損ねる可能性があります。
本コンテンツの取材協力者・編集者ならびに制作会社は、精油やハーブを使用して生じた一切の損傷、負傷、その他についての責任は負いかねます。