簡単手づくり、みつろうキャンドル

キャンドルナイトをアロマで演出

でんきを消すと心の奥が見えてくる

ろうそくを灯してスローな夜を過ごす「100万人のキャンドルナイト」が日本で始まったのは2003年。この“でんきを消す”運動は、著名人の呼びかけもあり、共鳴した人々の間で静かに広がり、夏至と冬至の頃には全国各地でライブやトークイベントが盛んに行われるようになりました。今年は震災以降の、電力不足や節電が問われる夏を迎えようとしています。キャンドルナイトをしようと思う人はますます増えることでしょう。

私も数年前、大好きなお寺さんの“その夜”を見に行きました。参道から本堂に向かって竹筒のホルダーに入ったろうそくが幾つも並んでいる、とても静かな空間。その竹筒一つ一つに、思いやイラスト、メッセージが記されていたのが忘れられません。
キャンドルナイトの夜には、ご家族やパートナーとご一緒なら、テレビも消してみてください。私たちが日々、どれだけ慌ただしく、賑やかすぎる日常に身をおいているのか、それがどれだけストレスにつながっていたのかに気づくはずです。何より身近な誰かとゆっくり話しをする機会にもなります。

みつろうと精油の手作りキャンドル

今回は、手軽にお好みのアロマを楽しめる手づくりキャンドルの紹介です。作り方は実に簡単。みつろうのシートにロウ引きの芯を巻いて、くるくるするだけです。みつろうとは、みつばちが巣を作るために分泌した天然のロウ(固形ワックス)のこと。石油系パラフィンでできた一般のろうそくとは一味違う、ナチュラルな素材です。みつろうはリップやハンドクリームの基材にも使われていますが、これは皮膚を柔軟にし、保湿・抗菌作用もあるからです。

ほんのり甘いハチミツの香りが漂うみつろうキャンドルは、それでけでも十分に気持ちを癒してくれますが、シートに精油をたらしておけば芳香浴にもなります。選んだ精油は“ゆったりスローな夜”におすすめで高ぶった気持ちを抑えるイランイラン、そして緊張や不安から心を解きほぐしてくれるローマンカモミール。単品使いはもちろん、各精油を数滴ずつブレンドしてもいいでしょう。3月にそれぞれの場所で震災を体験した私たちは、被災地の方をはじめ皆が不安や恐怖、悲しみを抱えたままです。この手放せないままになっている気持ちを緩めるためにも、ゆらゆら灯るキャンドルの明かりと、2つの精油の恩恵はとても有用だと思います。

みつろうキャンドル

【材料】

みつろうシート 1枚
イランイラン、ローマンカモミールの精油 適量
(作例のシート) ハニーカムシート / PBees

<キャンドル>

1 .シートに合わせ、芯を1~1.5cm長めにカットする。
2 .芯をシートの端におき、ゆっくりと巻いていく。途中で精油をシートの内側にたらす
(作例での目安最大9滴)