魔よけの香り玉をユズでつくる

見逃さないで! 身近な自然の恵み

「庭の花ユズ」で 顔もからだも、舌も満足

仕事仲間が事務所を構える一軒家の小さな庭には、花ユズの樹があります。自然派手作りコスメでも人気のあるユズ。その効能を調べたところ、これは無駄にするところは無い!とクラフト意欲をそそられました。そうして、去年は熟したユズの実を大量に収穫して(もちろん大家さんのご了解済み!)、「種子」は化粧水、「果皮」は石けんに、そして「果汁」はケーキへと余すことなく使い切り、身近な自然の恩恵をからだの内側と外側からたっぷりといただいたのです。

<種子>
種子の周りのヌルヌル、これはペクチン。毛細血管の働きを良くして小じわやシミ、そばかすを防ぐといわれます。かなりとろみのある、保湿を期待できる化粧水ができあがります。

<果皮>
石けんに利用した果皮には、血行、新陳代謝を促し、殺菌作用がある精油成分のリモネンやシトラール、そして、皮膚にもよいビタミン類がたくさん含まれます。

<果汁>
果汁は言わずと知れたクエン酸やビタミンCが代表的な有効成分。疲労を回復し、免疫力を高め、風邪の予防に有効です。

何となく習慣として冬至の夜にユズ湯を楽しんできたものですが、私たちのからだにはとてもプラスの効能があったのですね。

ユズを使った香りのお守り「ポマンダー」

食べて、からだに使って、さて次は? というわけで、今回はユズをまるごとを使って“香りのお守り”pomme d’ambre=ポマンダーを作ってみました。pommeは仏語でりんご。ポマンダーは姫りんごでも作るようです。ちなみにambre=「琥珀色の」の意です。

ポマンダーは魔よけ、病気から身を守る“香り玉”として、中世ヨーロッパで流行しました。柑橘類やりんごに、殺菌・抗菌力の高いクローブを刺し乾燥させるだけの簡単な作り方ですが、クローブが防腐剤代わりとなってフルーツを腐敗させない働きがあります。ただし、果皮だけで無く果実までクローブが刺さっていないと抗菌効果を発揮しないので、そこは抜かりなく。

乾燥させる前に、粉末のシナモンやスパイス類を振りかけてさらに香りをアップさせますが、出来上がりにほんの1滴程度の精油を垂らしてもいいですね。 私は、心を落ち着かせてくれるジュニパーやベンゾイン、防虫効果のある月桃の精油を使って、香りも“大人”に仕立ててみました。今からならば、クリスマスの飾りやプレゼントにも間に合います。

ユズの実 ポマンダー

【材料】
作例は花ユズを使用
花ユズ 1個
マスキング用テープ 果物の大きさに合わせて
クローブ(ホール) 約10g
シナモン(粉)等好みのスパイス  適量
好みの精油 1滴
飾り用リボン 果物の大きさに合わせて

【用具】
竹串か爪楊枝、ハンドタオルや布巾、ビニール袋  適量

<ポマンダー>
1 .ヘタを取り、テープを十字に貼る
2 .果皮の見えている部分に竹串などで穴をあけ(※果実まで届くように穴をあける)クローブを刺す
(※果汁が出るのでタオル等を敷くと良い)
刺し終えたらテープを外す
3 .クローブを刺した実をビニール袋に入れて、シナモンの粉をまんべんなくまぶし、3週間~1ヶ月ほど乾燥させる。
4 .乾燥したら、クローブを刺していないところにリボンをかけて飾り結びをする