毎日出るコーヒーかすの量がどえらいことに
豆を挽いてコーヒーを淹れるようになってから、本当にコーヒーがおいしい。
おいしいと、毎日欠かせなくなってしまう。
ザクっと袋から定量の豆をすくい出し、ミルに投入。皮が弾けて漂いだす複雑なアロマ。
85℃くらいの適温で、ドリップする。
毎回微妙に異なる風味、味わい。
しかし、同時に残されるコーヒーかすの量に、後から少し驚くことがある。
家族がいっせいにコーヒー愛好者になったせいもある。
「こんなに飲んでいるのか・・・」
これは何とかならないか? と自問するまでは、コーヒーかすをポイポイとゴミ箱に捨てていた。
そして例によって「コーヒー滓」で検索すると、
- 猫よけ
- 虫よけ
- 雑草を抑制
- 土壌を豊かに
など、意外な効用を教えてくれる記事多数。以来、家の小さな箱庭に撒くようにしている。
外猫さんが庭へトイレに来なくなった
コーヒーかすを庭にまくことで、まず実感できた効用は、今までひんぱんにトイレをしに庭に来ていた外猫さんが近寄らなくなったことだ。
外猫さんがゆったりと散歩する姿を見るのはよいのだが、ハーブや野菜を植えている箇所や、植栽のあたりをトイレにされるとやはり困る。エサやりさんは、そこまでは考えないなので、このあたりは家猫飼いとずっと平行線なのだろう。
かといって、100均ショップで売っている、黒いトゲトゲシートを貼ることだけはしたくない。
何かこう、しっくりこないのだ。
何とか外猫さんとも平和裡のうちに、トイレはご遠慮いただきたい。
こんなことで本当に効くのだろうか?と半信半疑ながらコーヒーかすを庭の境界、よく彼(彼女?)が出入りするルートに撒くようにした。
しばらくすると、確かに外猫さんのウンチを見なくなった。
コーヒーの匂いが消えれば効果が無くなるはずなので、コーヒーかすを貯めては乾かし、パッパと土に還すのが習慣になった。
外猫さんのトイレ問題に悩む人は、試す価値があると思う。
雑草の生え方も少なくなる
コーヒーかすの効用を調べて知ることになったが、雑草の生育を抑制する作用もあるという。
言われてみれば確かに、いつも撒いているあたり地面では雑草が少ない気がする。
論文を検索してみると、確かにコーヒーかすを撒くと、窒素が植物に吸収されにくくなるため、雑草の勢いを抑えることができるという。
しかしこれは作物や植栽の成長も同様に妨げることを意味するので、コーヒーかすを撒く際は、場所をよく考えながらがしたほうがよい。
土の団粒構造を促進して、豊かな土壌づくりにつながる
同じ論文で述べられていることだが、コーヒーかすを撒いて数か月経過すると、土壌の団粒化が促進されることもわかったという。
土の団粒構造は、植物への酸素や水、栄養素の供給にとても重要で、これが進んでいる畑は豊かな収穫が約束される。
作物の植え付け時期よりも、数か月前から計画的に撒くのであれば、コンポスト等と一緒にコーヒーかすを混ぜるのはメリットが期待できそうだ。
土いじりをはじめて3年目の、家の箱庭の植物たちは以前よりも生き生きとしている。
もちろん、無農薬、除草剤ゼロ。
撒くのは、たまに作るコンポスト、そしてコーヒーかす、少量の馬ふんたい肥、セオリー通りに苦土石灰をほんの少量(年1回)くらい。
自然環境、状態はつねに変化するので、よく観察しながらできるだけ自然な好循環が起きている箱庭をつくれたらよいな、と思っている。
コーヒーかすの再利用に取り組んでいるカフェ、ロースターも
コーヒーチェーン、カフェ、ファミリーレストランに続いて、コンビニエンスストアもドリップコーヒーを提供するようになった。
飲料メーカーなどをあわせると、いったいどれほどのコーヒーかすが出るのだろう。
日本のコーヒー豆消費量は世界第4位といわれ、生豆の輸入量が年間約40万トンなので、抽出後にはそれがコーヒーかすとなって処分されていることになる。
コーヒーかすの再利用は企業でもいろいろと模索されているようだが、環境への配慮を意識した取り組みをはじめたカフェ、コーヒーロースターも現れている。
都内で数か所の店舗を経営する「珈琲や」グループでは、コーヒーかすを畑に撒いて、雑草の繁茂を抑制したり、堆肥化できないかと実証実験を始めているという。
絶対量では小さな規模であっても、人の意識を変えていくためにはとても大きな意味があるだろうと思います。
(石川 史子さんという方のFacebookから埋め込み引用させていただきます)