編む。

友人のインテリアデザイナーのスタジオに行ったときのこと。

キッチンの棚の中を、きれいなカゴで整理しています。

白くてきれいなカゴだな、と思っていたら、「これ紙テープで作ったんだよ」

ええぇっ。紙テープぅ?

知りませんでした。クラフト好きの間では、単なる常識の範疇なのでしょう。

ベトナムでも、簡易なカゴづくりが盛んで、色彩が華やかで人気と、彼女は言いました。

軽やかで、美しい。

小さいタイプも、よろしい感じです。ようするに紙テープ(クラフトテープ)を「編む」ことで、

このようなカゴになるわけですね。広義の編み物である、と思いました。

個人的には、木工なら、ごはんを忘れるほど好きで、棚を作ったりして、天然素材のワックスやニスを塗ったりしているだけで楽しい。しかし、木工には、素材を切ったり、叩いたり、ねじ留めしたり、どこか強引さがありますが、編み物には、それはなさそうです。

編み物の世界では、無理が許されないのかもしれない。想像にすぎませんが。

全体を描くイメージ力、根気、ていねいさ、器用さ・・・。「編み物」は、よく考えれば、機械もなかった古代からある、人間の営みですから、何か惹かれるものを感じる人も多いのでしょう。

写真の作品は、インテリアデザイナーの女性がイメージを伝えて、建設会社をすでに定年退職されて、悠々自適のリタイアライフを楽しんでいるお父様が製作をしているそうです。

なんて几帳面なんだろう、建物の施工みたいです。現場での水平出し、細部の仕上げのこだわり。

きっと、ひと編みひと編みに、仕事人生のいろんな思いが入っているんだろうな。