秋風で乾燥した肌を癒す

脱“枯れ肌”宣言。目指すは“うるおい肌”

秋は、肌がお疲れの時期

“ぷるぷるっ”のフレーズがおどる、CMやコスメ雑誌の見出し。唇や目もとがうるおうお顔は、はつらつとした若々しさが感じられ、好印象は間違いありません。自分もそうありたいな!と思う女心とは裏腹に、「秋」という季節は、夏にかいた汗やたっぷり浴びた紫外線、そして冷房などの過酷な環境に耐えてきた結果、皮膚がとても疲れている時期なのです。うっかりしているとガサガサな唇や乾燥した目もとになって、冬を向かえる前に早くも“枯れ肌”になってしまいます。だからといって、あわてて高級美容液を揃えることはありません。ひと手間かけてナチュラルなポイントケアをおこない、うるおいたっぷりな唇と目もとを手に入れましょう。みつろう・はちみつと、蜂の恩恵をたっぷりいただくレシピです。

プチ・ナチュラルコスメは簡単にできる

荒れた唇のケアなら

角質層が薄く皮脂腺もほとんど無い唇は、肌以上に乾燥しやすいパーツ。乾燥の理由には季節的要因だけでなく唇をなめる癖にもあります。一瞬は唾液でうるおったように感じますが、実は大切な唇の保湿成分を奪っていることになります。こうして荒れてしまった唇には、保湿成分たっぷりのリップクリームを選んであげましょう。私は日頃は市販リップクリームを使用していますが、季節の変わり目だけは、天然の保湿・皮膚軟化作用があるみつろうとキャリアオイルでクリームを手作りし、ケアしています。「市販品を塗っても乾燥が治まらない時は、唇の粘膜を作る働きが弱っている可能性がある」、そう教えられたことがあったのです。

粘膜の荒れを鎮め柔らかくしてくれる、みつろうだけでも十分なのですが、さらに抗炎症・抗アレルギー作用に優れているジャーマン・カモミール精油や皮膚の新陳代謝を促進するネロリ精油を入れて、荒れた皮膚の再生を促します。ふだん使いはもちろん、唇にたっぷり伸ばした上にラップフィルムで覆う、簡単パックも効果的です。市販のリップはパックに適していませんが、みつろうのリップは熱でうるっと柔らかくなるのでお風呂上りのポカポカな状態で使用すればパック剤代わりになるのです。

目もとのうるおいパックはゼラチンで

食べて美肌効果のあるゼラチン(コラーゲン)を使って、目もとのうるおいパックを手作りしています。コラーゲンが成分の、プニッとしたゼリー液を含んだコットンを目もとにのせて、ぼーっとしていると、何だか幸せな気分になるものです。気持ちがアップすれば、ホルモンも活性化…(?)そんな相乗効果も期待しつつのパックはバスタイムに。ゼリー液が目もとから頬に流れてもそのまま、コットンを複数枚用意して首や肘・膝など乾燥が気になる部分をくまなくお手入れしてもいいですね。

分子構造が大きいゼラチンは肌からの吸収は期待できないという説もありますが、体験的には保湿効果はばっちり。さらに、ミネラルやアミノ酸等がたくさん含まれるので、乾燥と肌荒れを防ぐ効果のあるはちみつと、皮膚のアンチエイジングにおすすめなフランキンセンスの精油も入れて、ぷるぷる美肌が期待できるパックです。

かんたんナチュラルコスメ


【材料】 (リップクリーム)
20ccの保存容器で約1個分
ホホバオイル 15cc(大さじ1杯)
みつろう 3g
精油
※ここではジャーマン・カモミール、ネロリ各1滴づつ 2滴

【用具】
湯せん用の鍋、耐熱容器、計量スプーン、かき混ぜるための棒、保存容器 適宜

<リップクリーム>

  • 1 .耐熱容器にオイルとみつろうを入れ、鍋で湯せんする
  • 2 .みつろうがまんべんなく溶けるよう混ぜながら湯せんを続け、完全に溶けたら精油を入れる
  • 3 .保存容器に流し入れ、固まったら出来上がり

※みつろうは60~70℃で溶けます。

【材料】 (ゼラチンパック)
ゼラチン 5g
精製水 300ml
ハチミツ 小さじ1
精油
※ここではフランキンセンスを使用 2滴
コットン 8枚

【用具】
湯を沸かす鍋、タッパー等のコットンを浸け込む容器、計量カップとスプーン 適宜

<ゼラチンパック>

  • 1 .精製水を少々80℃以上の湯にし、ゼラチンを溶かしたら浸け込み用の容器に入れる
  • 2 .残りの精製水を1.に混ぜながら入れ、さらにハチミツと精油も加える
  • 3 .コットンが液をまんべんなく吸うように浸し、冷蔵庫で2時間ほど冷やし固めてから使用する

※必ず冷蔵庫で保存し、1~2日で使いきること

by野呂 雅代