精油でつくるマイフレグランス

好みの香りを自由自在につくれる

市販の香水に負けない自然の恵みの香り

市販の香水に負けない自然の恵みの香り「夜寝るときは何を着ているの?」「シャネルのNo.5よ」

これは、マリリン・モンローの来日記者会見でのやりとりとして、また香水を語る上で欠かせない逸話の一つです。シャネルの5番は、大人になる前の私にとって憧れの香りでもありました。そしてシャネル自身もインタビューにこう答えています。「どんな女性にも香水は必要なもの。香水とはその人の個性であり、魅力なのです」。

身につけた瞬間から気分を上げたりリラックスしたり、時に異性へのアピールもしてくれる香水。好きが高じて“大人買い”までして集めたものの、なんと!精油が自分の日常生活に入りこんでからは、その香りが受けつけられなくなり、いくつものコレクションたちが友人の手に渡って行きました。

それからは精油の力を借りて、その時々のブレンドでオリジナルの香水を作るようになりました。精油には心・身体・肌へと働きかける効能があるので、その中から目的に特化したり、自分のインスピレーションで数種類を選び、オードトワレに仕立てます。市販の香水を使っていた頃はオードパルファンを使っていたこともありますが、近頃はほんのり香が残るトワレに人気があるようなので、手作りする際の濃度もそれにならっています。また作るたびにレシピは残していますが、使う季節、その時の心の在りよう、体調などによって香りに対する感じ方は変わりますから、お気に入りはコレ!と執着せずレシピはあくまでもガイドとして利用します。

オードトワレはエタノールに対する精油の濃度(賦香率)が5~10%程度、香りの持続は3~4時間くらいとされています(※数字には諸説あり)。自分でつくる場合もこの数字を参考にして、ホホバオイルと精油を使用しています。無水エタノールと精製水を使ったレシピもありますが、アルコールが少々苦手な私には肌にダメージの無いオイルタイプが合うようです。

ポイントをおさえたら

あとは精油選びに没頭するだけ!

数種類の精油をブレンドするポイントは、香りのタイプと揮発性(ノート)を知ること。これさえ把握しておけば精油同士の相乗効果が期待できるうえ、調和の取れた香りに仕上がります。

香りのタイプは7種類(柑橘系、ハーブ系、フローラル系、ウッディ系、スパイス系、エキゾチック系、バルサム系)に、ノートは3種類(トップ、ミドル、ベース)と分かれます。香りの立ち方によって持続時間は異なり、トップ=つけ始めから20~30分持続する“第一印象の”香り。ミドル=つけ始め数分後~4時間ほど持続する、香水の“キャラクター”になる香り。ベース=香りの立ち上がりが遅く、12時間ほど安定的に香る“残り香”となっていきます。

初めてトライする場合は、この2つのポイントを把握しながら3~5種類くらいの精油を使ってみると良いですね。精油を選ぶ時間は実に楽しく、仕上がりを想像しながらあれこれと鼻を利かせているだけでもあっという間に数時間が経っていてびっくり。出来上がった香水もすぐには使わず、冷暗所で寝かせて香りを熟成させるのですが、時とともに変化する香りを実感するのも私の好きなひと時です。完成したら、携帯に便利なアトマイザーを利用してお出かけ先でもオリジナルの香りで、あなたらしさを演出してみてください。

【材料】(甘くロマンティックな香り)
ホホバオイル 10ml(ティースプーン約2杯)
オレンジ・スィート(柑橘系・トップ)の精油 3滴
レモングラス(柑橘系・トップ)の精油 1滴
ゼラニウム(フローラル系・ミドル)の精油 5滴
ジャスミン(フローラル系・ベース)の精油 2滴
イランイラン(エキゾチック系・ベース)の精油 1滴

【材料】(優しくリラックスする香り)
ホホバオイル 10ml(ティースプーン約2杯)
グレープフルーツ(柑橘系・トップ)の精油 5滴
ラベンダー(フローラル系・ミドル)の精油 4滴
カモミールローマン(フローラル系・ミドル)の精油 3滴
フランキンセンス(バルサム系・ベース)の精油 4滴

【用具】
ビーカー、またはスポイト(オイルの計量用・ご家庭に無い方は、ティースプーン 約2杯分が10ml) 適宜
グラスなど、材料を混ぜ合わせるための容器 適宜
ガラス棒またはスプーン 適宜
混ぜ合わせるときに使う
香水瓶 適宜
ロールオンタイプのアトマイザー 適宜

<フレグランス>
1 .容器にオイルと精油を入れ、よく混ぜる
2 .香水瓶やアトマイザーに移し、冷暗所で2~3週間熟成させる
※つくってから3~4ヶ月くらいで使いきりましょう