アホエンオイルは「常温」「120分」「5日間」がベスト

アホエンオイルづくりをやってみた

にんにくが好き。
フライパン料理くらいしかやらないが、いつも油をひいてから、にんにくスライスを入れる。
なんでもおいしくしてくれて、健康にもよさそうな、にんにくにはいつも感謝している。

先日、書店で老舗の健康雑誌を手にしたら、「にんにくでアホエンオイルをつくる」
という記事があり、とても簡単に作れそうだった。

「これは帰ってやってみよう」

アホエンは、にんにくに含まれるアリシンという成分が変化したものらしい。
「アホ」は、スペイン語で「にんにく」を意味する【アホ(ajo)】に由来している。

血行がよくなるので冷え性を改善。動脈硬化の予防・改善にも

アホエンは、血管拡張、酸化ストレス抑制作用を持っており、動脈硬化を予防する効用がある。
血管年齢という言葉があるように、血管がしなやかさで、内部がきれいなことは、健康な身体の条件だ。

もちろん、血行がよくなれば美容によいことは言うまでもない。
冷え性の人も、冷え取りでぐるぐる厚着しなくても、
身体の内部から温まるので、アホエンオイルを試みたらラクになるはず。

集中力アップ。認知症予防、改善にも

アセチルコリンは、体内で神経が信号伝達するための重要な物質だ。全身の神経末端で働き、各種運動機能はもちろん、記憶や思考という機能に関係している。

アホエンは、このアセチルコリンを分解してしまうアセチルコリンエステラーゼの働きを抑制するので、脳機能を活性化させ、認知症予防や記憶力向上の効果が期待される。
脳内の毛細血管の血流を良くしてくれることも大きなメリットだ。

アホエンが出来る仕組み

アホエンが生成される過程でまず登場するのが、アリナーゼ。

アリナーゼは、タマネギやニラ、その他植物がみな持っている酵素で、
どうやら動物に食べられるのを防ぐために、植物の細胞が破壊されると
独特のいやな匂いを発生させる役割があるようだ。

にんにくを切ったり、すりおろすと酵素アリナーゼによって、
アリインという物質がアリシンに変化する。

アリシンは、疲労回復、滋養強壮、血行促進、血中コレステロ-ルを下げる、とよいことづくめなのだが、
気になるにんにくの匂いの正体でもある。

このアリシンが、60℃~80℃程度に加熱されるとアホエンに変化するという。
こちらのほうは匂いが少なくなっている。

材料は、にんにくとオリーブオイルだけ

アホエンオイルのレシピをネットで調べると、だいたい次の要領。

材料
にんにく:5~6片(あるいは1塊という人も)
オリーブオイル:180ml~200ml
香りを楽しむ最高級エクストラバージンオリーブオイルではもったいないので、スタンダードなものでよい。

手順

(1)にんにくをみじん切りにする。または、すりおろす
(2)オリーブオイルを湯煎であたためる(50℃以上80℃以下であること)
(3)オリーブオイルの中ににんにくを入れる
(4)あら熱がとれるまで置いておく(3〜12時間)
(5)にんにくを濾して、ビンにオイルを保存する。出来上がり

美味しいガーリックアホエンオイルをこしらえるのは、実にかんたん。

アホエンオイルづくり、どんでんがえしの「真実」

タニタの油温計を使って、ばっちり50℃~70℃湯煎をして、満足感に浸りつつアホエンオイルは完成。

しかし、気になるのが、にんにく成分の抽出時間と温度。

いったい何℃で、何時間が最適な抽出条件なのか?

「アホエン 抽出時間」を条件に調べ直すと、青森県産業技術センター様が、
『にんにくの機能性成分(アホエン)を増やす加工法の開発』
という研究成果を公開していた。

同センターでは、<にんにくを破砕した後の経過時間>、<にんにくを何度の油に漬けるか>、<それぞれの浸漬時間>によりアホエンの生成量がどう変わるか調べたのだ。

結論からいえば、少々手間でもあり、達成感を得た湯煎のプロセスは必要ないと判明。

アホエンが最大に生成される手順

◎ すりおろして2時間、空気と反応させる
= 120分が、アホエンのもとになるアリインが酵素反応により十分に生成される時間だ。

◎ 室温で5日間置いておく
= もっともアホエンの生成量が多く、その後も安定していた。

<にんにくを破砕した後の経過時間>
アリシンをきちんと反応させておくとアホエン生成の準備が整う。比較した結果は、120分が最適だった。

<にんにくを何度の油に漬けるか>
・室温・・・最もアホエン生成量が多かった
・55℃・・・3時間の浸漬で、室温に次いでアホエン生成量が多い
・80℃・・・もっともアホエン生成量は少なかった

<それぞれの浸漬時間>
・室温・・・5日目で最もアホエン生成量が多くなり、その後も減らない
・55℃(3時間以降室温)・・・3時間で最もアホエン生成量は多く、その後日数が経つと減ってしまう
・80℃(30分以降室温)・・・もっともアホエン生成量は少なく、日数が経ってもそのまま

この比較実験からすると、5日間、室温でベストのアホエンオイルが出来上がる。
急ぎたい場合は、55℃湯煎を3時間。

スペイン家庭伝統のガーリックオイルは、すり鉢でにんにくをすり潰しながら、オリーブオイルを足していくそうだ。
これは、実験データの通りのベストな方法。
長年の言い伝えには、試行錯誤と、研ぎ澄まされた直観で得られた知恵がある。

何にかけても、美味しいアホエンオイル。
手前みそという表現のとおり、
自分で作ったものは、何でもおいしく感じる。

アホエンオイルも同様。パンにつけ、サラダにかけ、ちょっとした料理にも加えて・・。
美味しいうえに、身体の血行をよくしてくれる!

にんにくの臭いも軽減されるので、大変おすすめ。

(補足)
にんにくは、天然の抗凝血剤としても作用するので、妊娠中の方、手術を控えている人、ワルファリン(商品名 Coumadin®)など抗凝血剤を投与中の人は、摂取を避けるべき。

小林正広

ナチュラルクエスト主宰。家族の病をきっかけに、アンドルー・ワイル博士の自然治癒プログラムを知り、励まされる。回復の過程で考え、試行錯誤したことがナチュラルクエストのベースになっています。