世田谷!から愛を込めて (第3回 密着!世田谷野菜が店頭に並ぶまで)

第3回:密着!世田谷野菜が店頭に並ぶまで

世田谷シリーズ第1回で紹介した、
世田谷産野菜を中心に商うユニークな合同会社「KAKUMEI」を起業した若い二人の動きを、
野菜を仕入れる場面から追いかけました。

夏野菜が全盛期を迎え、
毎朝6時から野菜を買い求める人をお相手にする香取農園さんのもとに、
ポニーテールの瞳のきれいな女子、高階千晴さんが軽トラで登場。

編集部:早いですね!起床はいつも何時ですか?
高階:5時前からです。他の農家さんもまわってきて、
こちらは3件目です。あと数件、野菜を集荷してお店に並べるんです。

降りしきる雨のなか、カッパだけ着込んで、
テキパキと野菜を買い付け、
軽トラックの荷台に
運んで、カクメイ女子は出発。

追いかけて、店舗の様子も見てみましょう。
世田谷区喜多見、
”奥ふたこ”とも称される畑と住宅が混在するエリアから、
世田谷通りを進み、上馬の近くにある店舗、
「旬世」に到着。
もう常連さんらしいお客さんが、
野菜についてあれこれスタッフと話し込んでいます。

編集部:先ほど、おまとめ買いをされたお客さん、
なにしろ美味しいから、ここの野菜ばかり食べているんだって、おっしゃってましたね?
平野:私たちは鮮度にこだわっていますから、おわかりになるのでしょう。それが一番美味しく、栄養価高く野菜を食べる条件だと思っています。
編集部:農家さんの畑で収穫されてから、この店舗に並ぶまで3時間。”超朝採れ野菜”ですね。それに、よくこんなに種類豊富に集めますね。
平野:売ってくださる農家さんにも、実際に買われるお客様の声をフィードバックしたり、リクエストしたりして、できるだけ店舗の品揃えが、にぎわうようにつとめています。

旬世の店舗は、野菜の美味しい食べ方や、どこからの野菜か、農家さん直伝の情報も満載にしてお客さんを待っている。
高階千晴さんは、上馬の店舗で野菜を降ろすとすぐさま、世田谷線山下駅構内での販売にあわただしく移動です。
こちらでも近所の方にファンが増え、お客さんが野菜の到着を待ちわびています


2人は早稲田大学のボランティアサークルで知り合い、大学3年の頃からこのプロジェクトを開始。
就活もせずに、本格的に起業に専念してきました。
まだ、23歳の若者たちですが、
早朝から深夜まで、休むことなく野菜の流通を切り盛りしています。
忙しく動く中に二人は、
互いの背中に励ましを送り合っているように感じました。

千春さんが、農園で慈しむように、
すこしだけ、いびつな形をした丸ズッキーニを抱え上げ、微笑んでいた姿が、思い出されます。

二人を初めて見かけた、半年前より、
千晴さんは、さらにしなやかにスリムになり、
平野さんは、筋骨隆々と成長していました。
日々の圧倒的な活動量を物語っています。

都市部の農業は、高齢化や土地相続など難しい問題を抱えていますが、
合同会社カクメイの動きは生産者を活性化することにもつながることでしょう。
先月には朝日新聞にも、合同会社カクメイが記事で紹介されました。

「世田谷の農業はもちろんですが、地方の農業が都市部に正しく認識されるような事業を展開したい。そのために出来ることを、一つ一つトライしていきます」(平野さん)

採れたての野菜のみずみずしさ、そのもののような、若者の知恵と行動力で、
ますます、力強い旋風を巻き起こしていくことでしょう。

店舗の場所:
◎世田谷線山下駅「たまでんカフェ前」
11:00~18:00
※水曜日・木曜日 売り切れ次第終了 また葉境期は木曜日のみ

◎世田谷線松原駅「コミニティカフェ・シーマシーマ」
11:30~17:30
※月曜日・火曜日・金曜日・土曜日 11時半から17時半

◎世田谷区上馬5-38-10「旬世」
10:30~19:00
※定休日 月曜日・奇数の日曜日

合同会社KAKUMEI

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