イラスト/大塚砂織

井口和泉の暮らしとごはん vol.5 たけのこのバター醤油ソテー

5

vol.

たけのこの
バター醤油ソテー

2013.3.28 up

新芽をいただくことで、春の生命力を身体にとりいれる

春は芽吹きの季節。新芽をいただいて、春の生命力を身のうちにいただきます。冬眠から覚めた熊がまず最初に山菜や、木の新芽を食べて体を動かすというように、人の体にも、冬を越すために体に蓄えた余分なものを解毒し、外に出す働きを促すようです。

旬のものを体に取り入れることは大切だ。人は唯一食べることによって外界の一部を体内に入れ、自分の肉体を少しずつ更新し、生きている。食べられる前は鶏や魚や野菜だったものが、身体の中でもっと小さな成分に分解され、別の順序でつなぎあわされて、働きを持って身体の一部になる。忘れがちでいて当たり前のことが、春は特に感じられるように思います。

香りが食欲をそそる、たけのこバター醤油ソテー

新しい芽吹きのものの代表格と言えば、春のたけのこ。山菜や野草を摘みに野山に出るのも楽しいこの頃。いただきものも春の香りで、我が家はただいま“たけのこウィーク”から“たけのこマンス”へ移行中。春ならではのフェスタです。幸いにも掘りたて茹でたての、えぐみの少ないものをいただくことができて、わかめと炊きあわせた「若竹煮」や「炊き込みご飯」の定番が並びます。今回ご紹介する「たけのこソテー」は、たけのこをオリーブオイルでこんがり焼き付けて、塩と胡椒で調え、ほんのちょっぴり醤油を落として香りをつけて、バターをひとかけ落として余熱で溶かし、たけのこにからめ、庭から獲ったネギを刻んでパラリで出来上がり。

味つけのベースは塩で。ルッコラとあわせた小丼仕立てもおすすめ

たけのことバターと醤油で、黄金の組み合わせです。とはいえ、基本的な味つけは塩で。醤油はあくまでも香りづけ程度に加えるのがたけのこの味を愉しみコツです。ほくほくとした歯触りも味のひとつなのでなるべくできたての熱々を召し上がって下さい。おかずとしてそのままでも良いし、ルッコラとあわせて小丼仕立てにしても軽やかな春のごはんに。春のレシピは、野草や筍にしよう、とずいぶん前から決めていました。

ただ、震災以後、お住まいの地域によっては山のものを採集するのは難しく感じる方もいらっしゃると思います。悩み多き時代になりましたが、その際は可能であれば西日本のものをお選びになられて下さい。

材料たけのこのバター醤油ソテー

茹でたけのこ 300g
(食べやすい大きさにスライス)
オリーブオイル 小さじ1
自然海塩 ふたつまみ
黒胡椒 少々
無塩バター 15g(大さじ1)
淡口醤油 少々
①: フライパンにオリーブオイルを熱し、たけのこを加え、中火で両面にこんがりと焼き目をつける。塩、胡椒をふり味を調える。
②: たけのこの上に無塩バターをのせ、バターがじんわりと溶けたら、火を止める直前に鍋肌から醤油をかけまわし、香りを全体につける。好みで葱や香草を添える。

ガイドプロフィール

井口和泉

料理家。福岡県在住。野菜やハーブ、庭から摘んだハーブや野草を使った料理が得意。不定期開催の少人数での自宅での料理教室の他、メディアや企業へのレシピ製作&監修、商品開発のコンセプトワークなど、さまざまな「おいしい」に関わっています。
趣味のひとつは四季折々の保存食作り。畑は2年目。

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