ハーブとアロマのカゼ予防レシピ

カゼを治すものは、自分自身の治癒力

最先端の製薬技術をもってしても、いまだに出来上がらないのが、「カゼを治してくれる薬」です。たとえば高熱が出たといって病院に行っても、もらえる薬は解熱剤であって、ウイルスを直接退治してくれるわけではありません。また、抗生物質はというと、カゼで弱ったカラダが感染症にならないように、予防的に使われます。タミフルなどの抗ウイルス剤もありますが、ウイルスと細胞との結びつきを阻害して、カラダのダメージを減らそうというもので、ウイルス自体を消す ことはできません。つまり、カゼはその人自身が持っている自然治癒力で治すしかないのです。そこで、忘れてはならないのが、昔から伝統的に、「効き目がある」と伝えられてきた、植物の力と、カラダを癒す知恵です。

免疫力を高めて、ウイルスに備える

生活空間にはいたるところにウイルスが存在しています。それでも病気にならないのは、鼻や喉の粘膜がウイルスの体内への侵入を防いでいるから。しかし冬になると、空気が乾燥してその粘膜のチカラが弱まり、カゼなどを引きやすい状態になるのです。予防するには、日頃から栄養をしっかりとり、疲れを癒し、免疫力を高めておくことが大切。カゼをよく引く人はこれらのことが十分ではありません。この冬こそ、免疫力向上をサポートし、ウイルスから自分のカラダを守る知恵と工夫をしっかり実践してみましょう。

普段から心がけたい『カゼ予防5カ条』

その1. ノドの乾燥を防ぐ
加湿器で室内の湿度を60%以上に保ち、水分をこまめに摂りましょう。
その2. 十分な睡眠をとる
毎日の疲れをきちんと取ることが免疫力向上につながります。
その3. 外から帰ったらすぐに手洗いとうがいをする
外出時にカラダについたウイルスを取り除きます。習慣化が大切です。
その4. 野菜等でビタミンやミネラルを摂る
多種多様な栄養が豊富に含まれる野菜類を食べましょう。
その5. にんにくを多めに摂る
にんにくは、抗菌作用、免疫力を高める効果が期待できます。
「植物の力」でできることは、こんなにある

「体調が少し変だな」と感じたら、うがい、手洗いなどの日常的なケアにプラスして、次のハーブとアロマを試してみましょう。早ければ早いほどよいはずです。

初期におすすめのハーブとアロマ

・ハーブティー
ノドが痛い、鼻がつまるなど、カゼの初期症状には、免疫力を強化するエキナセア、ビタミンCをたっぷり摂取できるローズヒップのハーブティーがおすすめです。また、寒気を感じた時は、上記に加え、エルダーフラワーのハーブティーを飲みましょう。発汗をうながしてくれます。
ハーブティーは、200mlのお湯にハーブをひとつまみ入れて3~5分蒸らせば完成です。
・芳香浴
抗菌、抗ウイルス作用を持つ精油を使って室内を浄化しましょう。熱湯を注いだティーカップにレモンやラベンダーの精油を3滴たらして、部屋中に香りを漂わせます。リラックス効果もある芳香浴は、ストレスなどでダメージを受けた免疫力を回復させる効果も期待できます。

エキナセア

免疫力を高め、抗炎症作用があるというデータが発表されています。日常的に飲んでおきたいハーブティーです。

症状別おすすめのハーブとアロマ

はっきりとカゼの症状がでている場合は、ハーブティーや蒸気吸入など、カラダに直接ハーブやアロマのチカラを取り込みましょう。

・頭痛、発熱、鼻づまり熱湯を注いだボウルや洗面器に、カゼによる炎症を抑えるチカラを持つユーカリの精油を3滴たらし、この蒸気を吸入します。このとき、鼻から肺の奥まで息を吸い込むように吸入するのがポイントです。ユーカリの有効成分が肺から血管に入り、全身を巡ります。

・咳抗菌、鎮痙、去痰という3つの作用を持つタイムのハーブティーを飲みましょう。咳が止まらないときは、マカデミアナッツ油10mlにユーカリの精油を2滴混ぜたマッサージオイルを胸にすり込むと楽になります。咳による筋肉疲労が原因で起こるカラダの痛みには、ユーカリの代わりにローマンカモミールやラベンダーの精油を使ったマッサージオイルで痛む部分をマッサージしてください。

・ノドの痛みハチミツを適量入れたセージのハーブティーを飲みましょう。また、ハチミツはノドの乾燥を抑え、ウイルスの感染を防ぐと言われます。

ユーカリ

抗菌作用を持つユーカリは、鼻水、咳、痰の症状を楽にしてくれる精油。掃除にも使えるので、1本常備しておくととっても便利です。

発汗を促すために

熱が出たら発汗を促し、熱を下げることが大切です。その場合、おすすめなのが足浴。入浴温度より熱めのお湯に自然塩20gを溶かし、リラックス効果のあるラベンダーの精油を3滴落としてよくかき混ぜたら、くるぶしの上5cmを目安に足浴を約15分間行いましょう。足浴は、カラダへの負担も少なく、カゼで弱ってしまった時こそ実行したいセルフケア法です。お湯が冷めないよう、熱い湯を時折注ぎ足し、しっかり温まるのがコツです。