十薬の根から花から逆さ干し 千代子

ベランダのプランターに生えたドクダミに
花が咲いたので気持ちばかり、陰干しにした。

十薬の根から花から逆さ干し 千代子

祖母は、『狩』の俳人だったので最晩年に
『梅花藻』という句集を遺している。

高校時と、大学三、四年時は
実家からスープの冷めない距離の隠居所に、
独りで暮らす祖母と同居して学校に通ったため、
茶道も俳句も祖母が最初の手解きをしてくれた。

十薬は言わずと知れたドクダミのこと。

この季節は、
隠居所、裏庭に、これでもかというほど生えるドクダミを、
根から引っこ抜き、
風通しのよい縁側に、逆さに吊るしたことを思い出す。

祖母は主に化粧水にしたり、
お茶で飲んでいた。

今朝、麦(愛猫)の耳が熱い気がして、
やたらくっついてくるから心配したが、
朝ごはんも食べたし、
帛紗追いかけて
遊ぶ元気があるから大丈夫そう。