大自然の恵みから、必要なだけをいただく 染織作家 石垣昭子

家で糸を紡ぎ、衣は自分たちの手で織るのが当たり前だった

糸から布作りまで体の中で覚えた幼少時代

幼少時代に経験したことが、いかにその人の人生に影響を与え、道しるべとなるかということを、石垣昭子さんの話を聞いて強く感じる。
昭子さんは子ども時代を竹富島で過ごした。その当時、女性たちは家で糸を紡ぎ、普段着や祭りの衣装を自分たちの手で織るのが当たり前だったそうだ。
昭子さんは小さい頃、よくおばあちゃんの手伝いをした。

朝早く起きて、庭の掃除をする。お昼はおばあちゃんに弁当を届けに畑に行く。おばあちゃんが糸の原料となる芭蕉を倒した日には、一緒に手分けして家へ運んで帰る。水汲み、ランプのホヤ掃除は昭子さんの仕事だった。糸から布作りまで全ておこなうおばあちゃんの作業を、見よう見まねで覚えていった。そうやって染織の仕事を、幼少のうちから、生活の中で自然と体に染み込ませるように体得していったという。

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海晒し

沖縄で古くから伝わる海晒し。太陽・水・空気、全ての要素が調和して、色が布に染み込むのを手助けする。素晴らしい布作りの背景には見えない力の支えがある。今ではもう海晒しをしている者は、ほとんどいないという。適した環境が少なくなっているのも一因だそうだ。(島塚)