ちょうどよい規模で、ていねいに本物の生産物を作る。
「人と農・自然をつなぐ会」

静岡県藤枝市の杵塚さん一家が運営する「人と農・自然をつなぐ会」では、緑茶の他にも、紅茶、梅干し、味噌、米、麦など生産物のレパートリーを着々と増やしていますが、その原動力になっているのが、若い世代の後継者たちです。杵塚敏明さんの子どもたちは社会に出て活躍した後に農業に戻り、共通のビジョンに向かって、さらに農の営みを充実させています。

日本の紅茶、和紅茶。ストレートで飲むと、ほのかな甘みがあります。

紅茶といえば、スリランカとかインドが産地という思い込みがありますが、実は日本でもわずかながら紅茶は作られています。戦後、紅茶も輸入が自由化される前までは、日本からの紅茶の輸出はとても盛んで、年間8000トン以上も国内で紅茶が生産されていました。輸入自由化により海外から安価な紅茶が大量に流れ込み、今では少量しか生産されなくなったのです。
そんな貴重な「和紅茶」を、無農薬、有機栽培でつくっているのが「人と農・自然をつなぐ会」です。紅茶の製造技術は本格的なもので、本場スリランカから現地の木製の部材を使った機械を輸入し、技術を吸収しながら、日本の気候風土と和食の味覚にマッチした「和紅茶」を製造しています。初夏の新芽を発酵させたその味は、ほのかに甘みも感じさせ、砂糖、ミルクもレモンも使わずにストレートで味わいたいもので、身体によいとされるポリフェノールがたっぷりな点も魅力です。

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無農薬は、お米、麦、大豆など全てに徹底しています。

お米の栽培を、無農薬で行おうとすると、草取りがとても大変です。そこで、除草剤に頼るのは、日本全国どこでも行われていることですが、「人と農・自然をつなぐ会」では、水田にアイガモを放し飼いにして、稲の周囲に生える雑草を食べてもらっています。稲につく害虫も食べてくれるので、一石二鳥。 「人と農・自然をつなぐ会」では、田んぼの中に、米ぬかを撒いたりもします。このことで、豊年エビ、タニシ、オタマジャクシが育ち、生物多様性を持つ田んぼになります。安土桃山時代、豊臣秀吉は水田でアヒルの放し飼いを奨励したといいますが、アイガモ農法の原点かもしれません。

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まろやかで深みのある味わい。無添加、手づくりの味噌ならではです。

私たちが日々口にしている味噌の原料となる大豆の90%が外国からの輸入品です。いまでは、大豆そのものが、国産品が貴重なものになってしまいました。「人と農・自然とつなぐ会」では、味噌の原料に使う大豆についても、毎年自家採種した種を7月に撒いて育てています。これを藤枝の素晴らしい地下水で仕込み、吉野杉の大樽で長期熟成させるのです。「だしを入れない段階で味見しても、まろやかで味わい深い」という購入した人の感想が、基本に忠実に真心を込めて作られた食べ物の真価を物語っているのではないでしょうか。

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静岡県はお茶と並んで、みかんの産地でもあります。

みかんもまた、自家設計した有機100%の肥料を使い、殺虫剤、除草剤、殺菌剤不使用で実らせています。害虫対策として、木の根もとにアルミを撒いたりなどの工夫も施してはいますが、基本は自然界の害虫、益虫のバランスを損なわないこと、これに尽きるそうです。
繁忙期になると、留学生、大学生、消費者、地域の方々などたくさんの方がお手伝いにきてくださり、土や生産物に触れます。農場にとって作業がはかどるのはもちろんのこと、参加者に高齢化、後継者不足に嘆く農作業現場の実態を目の当たりに感じ、安心で本当に美味しい物を味わう喜びを体感してもらうきっかけになっています。

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ちょうどよい規模だから、本物の生産物を作ることができます。

杵塚さんファミリーが目指しているものは、畑も田んぼもちょうどよい規模を保って、ていねいに本物の生産物を作る営みのように思われます。杵塚浩之さんの奥さん、歩さんがつづるブログには、次のような文があります。
”国連の食糧農業機関(FAO)は2014年を、『国際家族農業年』と定め、「家族農業や小規模農家は、持続可能な食糧生産や食糧安全保障、貧困の根絶に貢献できる」とし、各国政府に対して小規模家族農業を支援するように要請している。なぜわざわざ「家族農業」と明記するのか、日本人にはピンとこないかもしれないが、世界の多くの国々では未だに農地は大地主や企業によって支配され、多くの農民が大農園やプランテーションでの労働を強いられている。日本でも企業の農業参入が始まろうとしているが、それは食文化や地域固有の農業や伝統とは逆光する流れだと言える”。
農の営みへの深く広い理解とビジョン、日々のたゆみない心のこもった作業の積み重ねで、「人と農・自然をつなぐ会」の生産物は消費者のもとへ送り出されます。そんな背景にも思いを寄せながら、おいしさを味わいたいものです。

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人と農・自然をつなぐ会 杵塚浩之さん

大学を卒業後、青年海外協力隊員として、アフリカで教育活動に従事した経験を持っている杵塚浩之さんは、「アフリカの暮らしで、日本の自然がいかに豊かで恵まれているか痛感します。里山の豊かな自然の中で、鶏、アイガモ、馬などの家畜を飼い、その糞を肥料として、例えば、鶏やアイガモの糞は稲を育てる有機肥料となり、稲わらは茶畑の有機肥料となり、米ぬかや小麦、茶畑の雑草や茶がらは家畜のえさとなって・・・というように生命が循環する農業が私たちの目指す姿です。この自然の恵みと人、農の営みをつなげる活動にやりがいを感じます」と語ってくれました。大忙しの毎日で、山間部にある茶畑や、みかん畑、田んぼ、畑を切り盛りしています。

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人と農・自然をつなぐ会 杵塚歩さん

歩さんは、アメリカの大学で心理学を学んだという経歴の持ち主です。「留学中、犯罪心理学を履修していたころ、ともかくは投薬、投薬尽くしの考え方に違和感を感じました。精神の闇を薬漬けで停止させることが良策なのだろうかと。いのちの原点に立ち返る農業に従事していたほうがよほど、健全で前向きな導きを感じるのではなかろうかと強く思ったのです」。農作物の生産と加工、紅茶づくりを担当。歩さんの発案で、梅干し、味噌づくり、みかんジュースなど、生産物のレパートリーがさらに充実しつつあります。

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