LED照明と歌舞伎舞台。そしてキャンドルライト

LED照明のおかげで、オフィスビルの消費電力が大幅に減っていると前回のブログで書いた。

このことを教えてくれた大手ゼネコンの設計リーダーは、もう一つ興味深い話しをしていたので記しておきたい。

「LEDがダメ出しされる場所もあるんです。建替えをした歌舞伎座では、客席はLEDなんですが、舞台照明のほうはどうしてもLEDではダメだと

「まぶしすぎる、温かみがない、いろいろなネックがあって、舞台照明は従来の白熱灯のままです」

歌舞伎役者、舞台関係者は、LEDの光をまだ認めていなかった。

おそらく今後も、発光技術の原理的なところが原因で、
LEDの光は、舞台芸術の感性とは相いれないままなのかもしれない。

思い出したのは数年前のこと、食卓の照明をLEDに喜び勇んで取り替えたのだが、
何かしっくりこない。

きれいな光が当たっているのに、何か落ち着かず、やけにまぶしい。
結局、家族で話しているうちに、元の白熱灯に戻してしまった。
今でも、家のLEDは1つだけ。通常の電球がメインで使われている我が家である。

LEDの中でも青色LEDが放つ”ブルーライト”は、他の色のLEDよりも波長が短いため、
目の奥部、網膜まで達することから、視細胞のミトコンドリアや小胞体が障害をうけることがわかっている。もちろん、スマートフォンの見過ぎは目にとてもよくない。

ときおり、あえてロウソクの灯りをつけてみると、とても心が落ち着く。
(まあ、年に数回しかやらないのだが)

火の用心をしながら、3個くらいのホルダーやランプセットで室内を照らすと、
はじめのうちは暗く感じるが、しだいに物が見えてくるようになり、
五感が開くのか、時間の流れや雰囲気の味わいが濃くなるのだ。

たまに、原始的なことをやってみる。おすすめです。
くれぐれも火には気をつけましょう。

写真は、クリスマスに近所の子ども会ボランティアさん達が、毎年作っているキャンドルのスパイラル・サークル。
キャンドルの光の道を、子どもたちはワクワク、ドキドキしながら、中央で待っているサンタさんからプレゼントをもらう。

子どもに聞くと、”超うれしい”らしい。