月桃と青森ヒバで虫よけ・消臭

和のアロマで虫よけ、消臭

月桃は、沖縄の家庭の香り

もう数年前のこと。沖縄が大好きな友人から月桃茶をいただいた私は、初めて口にする味が少々なじめず、しばらくの間キッチンのストッカーに茶葉を寝かせたままにしてしまったのですが、茶葉=ドライハーブ!?もしやチンキ作り(チンキの項はvol.1をご覧下さい)に使えるのでは??と思い立ち、インターネットで月桃について調べてみたのです。

すると月桃の葉には、シワやシミなど老化の原因につながる活性酸素を抑制するポリフェノールが、赤ワインの数十倍も含まれているほか、肌の弾力を保つコラーゲンの生成に有用な成分カバインも含まれていると知りました。月桃で“美肌のもと”が作れると知った私は今でも化粧水に月桃をチンキの材料として愛用しています。

そして茶葉をくれた友人の通う沖縄料理店に行った時のこと。沖縄出身の店員さんの実家では、月桃の葉はキッチンやベランダの隅に置いて虫よけにしているというのです。代々その土地で暮らす人々が、植物の有用成分を取り入れてきた生活の知恵が伺い知れます。月桃の香りは「懐かしい!沖縄の家の匂い」だそうです。

月桃の精油成分を見ると、虫よけ・消臭効果の高いことが分かります。パラシメン、1.8‐シネオール、テルピネン‐4‐オールには防虫、抗菌・抗真菌、殺菌作用があり、α-ピネンには嫌な匂いを消し去る効果があります。

防虫、消臭に加えて、ストレス緩和も期待

青森ヒバ。シャープでスキっとしたあの香りが好きで、駅のコンコースや百貨店に物産店をみかけると、足を向けてはヒバ材のチップやウッドボールを買っていた時期がありました。まさに“森林浴”と言った感の香りですが、青森ヒバの精油に含まれる成分のヒノキチオールはカビなどに対する抗菌性に優れ、雑菌から出る臭いを消し去り、ツヨプセンにはデオドラント効果に加えてノミやダニの忌避効果があると言われています。

日本の風土に育ち・生産されている精油はこれ以外にもいろいろありますが、私が何気なく手にする植物に、精油由来の効用があると知った時はとてもうれしかったのです。

そこで今回は、月桃や青森ヒバの天然成分を有効活用した防虫・消臭剤を作ってみました。 毎回のことながら“作ったぞ!”といえるほどの大作ではありません。それでもこれがお役立ちグッズになるのですから、皆さんもどうぞ気軽に取り入れてみてください。

アロマは、ひとつの目的で取り入れたつもりが、結果としてその人のあらゆる方向にポジティブに働きかけてくれます。心・身体・肌へ、そして生活空間に対しても。 防虫・消臭剤は実用目的の小物ですが、これをクローゼットに吊るしたり、引き出しやボックスに入れることで、後で服を着る人のストレスや心の緊張を和らげる効果につながっていくのです。

アロマ防虫剤のつくりかた

【材料】
ガーゼまたは綿のハンカチ、日本手ぬぐいなど 適量
化粧用コットン 適量
月桃、青森ヒバの精油 各2~3滴

<月桃と青森ヒバの防虫剤>

1 .ハンカチや手ぬぐいなどの絵柄を化粧用コットンに合わせて切り、四隅の耳を縫う。
2 .たたんで端の部分を縫う。
3 .カバーが出来たら 月桃の精油2滴、青森ヒバの精油3滴をコットンにたらして中に入れる。※精油成分は日が経つと弱くなるので、定期的に精油入りコットンを替えましょう。