朝、起きると親指が痛い。思わぬ部位の筋肉痛。
ああぁ、昨日の梅割り作業のせいね。
すぐに思い当たった。
お天気上々の5月末、小田原行き電車の車窓は、
伊勢原辺りを越えると、大山を望み、新緑や川の流れもキラキラだ。
小田原から一駅隣り、「新幹線発祥の地」の看板が目につく小田原市鴨宮に
オーガニックパン屋さん&カフェ「ポタジェララ」がある。
こちらの「梅肉エキス」作りワークショップに参加したのである。
当日の先生は和田農園の北村佳代さん。
以前はパタンナーをされていたという。
和田農園は、江戸時代から続く農園だという。
ポタジェララさんでは、「梅の酵素作り」のワークショップも開催しているが、
そこで使われる梅も和田農園さんのものだ。
北村さんはある日、
この宝石箱のような和田農園に、後継者がいないことを知る。
作業性もよく考えられていて、
トラックが入れる道も整備した農園なのに、
放置され、やがて更地となり荒れていく様を想像すると、
北村さんは、危機感と寂しさをつのらせた。
「私が継ぐしかないじゃない」
さて、梅肉エキスづくりのワークショップ。
まずは、北村さんがご用意してくださった
40キロの梅を実と種を分ける作業からスタート。
それにしてもきれいな梅。
梅雨に入る時期、体調がなんとなく、
重く感じる頃、
梅という最高のスーパーフードの旬を迎えるとは、
なんと、自然界は私たちに温かいのだろうと思う。
梅のクエン酸、リンゴ酸、ムメフラールの働きで、
血液サラサラ、浄化、動脈硬化、内臓脂肪も抑制。
成人にはありがたい効能ばかりが、
この青梅にぎっしりとつまっているのだなと
梅の産毛をなでてしまう。
そうそう、「梅は産毛がしっかりとたっている」のが
良質だと、北村さんから教わった。
我が家にも梅の木はあるが、
虫が無視できないほどつき、
果実も小粒だ。
そんな栽培が難しい梅を無農薬で何十本も、とは。
「梅割り機」登場で、パカーンパカーンと
小気味良く梅が割れていくので、
楽しい。軽快。
この「梅割り機」は、季節限定、そのうえ小田原地域限定で売られているという。
そして、手作業で種を取り除いて、
ジューサーで梅ジュースへ。
煮詰める作業は時間がかかるということなので、
作業はここまで。
待望のランチの時間!
近隣のオーガニック野菜を中心とした、
マクロビ仕様の優しく、
目にも美しいお料理が
小澤ちひろさんマジックで並んだ。
(おかわりまで、嬉しすぎ!)
ボリューム重視の私も
大満足このうえなく。
おみやげには、
前日、北村さんが、
私たちに仕込んでくれた、
梅の薬効がぎっしり濃縮された
梅肉エキスをいただいた。
エキスにすることで、
梅の殺菌作用、整腸作用、鎮痛作用などが
さらに強まる。
昔はお腹を下したりすると、
おばあちゃんから
梅肉エキスを飲まされた、
という光景があたりまえだったと
雑談中に聞いた。
優しい笑顔で、
周りをパッと華やかにしてくれる、
北村さんお手製の梅肉エキス。
ふくれすぎたお腹を
くくっとよじって、
かばんに大事にしまった。
わたしと周りの人たちを
健やかに守ってね。