オーガニック拡大の意識づくりに貢献しているフランス映画「未来の食卓」の上映会が小田原で行われました。
12/20という年の瀬の日曜日にもかかわらず、会場は満員。
地域の皆さんの関心の高さがうかがわれます。
南仏の豊かな自然と農業のある暮らしの、絵に描いたような美しい風景の中、農薬漬けの生産現場の実態が明らかにされます。そして、立ち上がるバルジャック村の人々。学校給食をオーガニックに180°変えるのです。
日本でもフランスでも同じなのですね。オーガニック推進派と、いわゆる「現実主義」の慣行農法を続けたい人との食い違い。映画では、どちらが「現実的」で「利益をもたらしてくれるか」を明らかにしていきます。
上映の後、シンポジウム「食で元気な子どもたち」が行われました。
パネリストは、写真の3名の方々です。
石原 敏久さん (小田原市久野で35年間にわたり自然農法、有機農法を実践。有機JAS法認定者。小田原有機の里づくり協議会副代表理事)
山本洋子さん (雑誌編集者としてマクロビオティックを大きく取り上げ続け、紹介してきた。「MACROBIOTIC STARTBOOK」を編集。現在、地域食ブランドのアドバイザー他の活動を展開中)
加藤 憲一さん (小田原市長。企業経験を経て、有機農業の実践体験を持つ。小田原有機の里づくり協議会代表理事)
小田原では、地道に実践を重ねてきたオーガニック農家と、消費者・保護者、そして行政がつながって、オーガニックな食を広めようと連携を始めようとしています。小田原は、農水省の「有機農業モデルタウン」としての指定も受け、健康な食文化を根付かせようという意識がとても高まっているようです。
山本洋子さんのお話では、高級ホテルから青山のカフェまで、高感度な店で玄米メニューの人気がますます高まっているとのこと。小田原は、消費地の近くにありながら、農業ができる恵まれたエリアと言えるかもしれません。
一方で、高齢化のため放棄される懸念のある耕作地が増えており、新規就農者を積極的に受け入れていきたいと、加藤市長からは発言がありました。
ロビーでは、オーガニックな食材が並び、売り切れ続出。
加藤市長によると、学校の校長先生の集まりでは、最近の子どもたちの変化を危惧する声が多くなっているとのこと。
教育関係者はまだ、教育論、子育て論だけでとらえている人が多いようですが、科学者には、「未来の食卓」で指摘されている、有毒化学物質の影響を指摘する人もいます。
「食と生命」「食べ物の力」をテーマに小田原から、危機感を持って取り組んでいくという加藤市長の力強い言葉に、行政の新世代の登場を感じます。オーガニックな食にここまで踏み込む人いますか。
「オーガニック給食が当たり前の小田原市」が実現、そこからさらに全国に拡大するというシナリオ、これはいい。