「玄米がユメヲミタ」という一度で記憶に残るネーミングを持つ玄米甘酒。 スタイリッシュなカフェに置かれるのが似合いそうな、上質で味のあるラベルです。 デザインに魅せられて購入する「ジャケ買い」の方が多いそうですが、実のところ中身、味も第一級の甘酒なのです。
いいデザインは、人を気持ちよくさせてくれる。
今回紹介する玄米甘酒「玄米がユメヲミタ」は、デパートの催事やマルシェで陳列すると、一目見てデザインに惹かれて、手に取る人が多いといいます。それもそのはず、商品名は広告業界の重鎮的存在のコピーライターの考案によるもので、パッケージデザインは、これもまた著名なアートディレクターによる仕事です。注目されてデザイン年鑑に掲載されたというのも、この作品の持つ力ゆえでしょう。
そして、デザインで「ジャケ買い」しても、この甘酒は中身も大当たりです。よく目にする白米の甘酒のように、一本調子の甘さではなく、微妙に複雑な風味を残した玄米甘酒ならではの味わいはなかなかのものです。
クリエイティブ、マーケティング畑出身の移住親子が、
手塩にかけてつくる「山燕庵」ブランド。
この製品を生み出したのは、出版社勤務を経て農業を本格的にはじめた杉原正利さんと、マーケティングリサーチ会社勤務経験を持つ息子の晋一さんの親子をコアメンバーとする株式会社 山燕庵(さんえんあん)。福島県鮫川村と、石川県能登半島を拠点に米作り、野菜、そして玄米甘酒づくりを手掛けている新進の事業者です。
会社勤務の道を卒業し、2008年から農業の道に入った杉原さんは、当初福島県鮫川村を生産の場と選びましたが、2011年の福島原発事故を原因とする農業生産への影響と真っ向から向き合わざるを得なくなりました。そこで、2012年からは石川県の生産拠点を拡充すると共に、自社ブランドを生産から製造販売まで一気通貫で行う事業を進めることにしました。
都会の人びとが求めているものを知り尽くす杉原さんから見れば、田舎はまさに誰からも手の付けられていない宝の山のように見えます。よいものを、きちんと説明しながら紹介すれば必ず売れる、そう信じて新商品開発に邁進してきました。
美容と健康によい玄米甘酒を、スタイリッシュにプロデュース。
甘酒といえば、人気急上昇中のアイテム。その理由として、特に女性たちの間で、美容と健康によいナチュラルフードとして注目されていることがあります。ビタミンB群や、葉酸、必須アミノ酸、そして速やかに体内でエネルギー源になるブドウ糖を豊富に含んでいるので、「内側から美しくなる」ために摂りたい食品として見直されたものといえます。
玄米甘酒「玄米がユメヲミタ」の製造は、約100年の歴史を持つ地元の醤油・味噌醸造所に委託しています。歴史を持つ醸造所だけに、山燕庵が栽培している米「コシヒカリアモーレ」のおいしさを引き出し、高い品質の甘酒を発酵させてくれます。「味噌の醸造所に住む酵母菌は、酒蔵の酵母菌よりも、玄米を発酵させる力が強いので、栄養分豊富な甘酒ができます」(杉原晋一さん)。材料となる「コシヒカリアモーレ」は、地元の農家の方々からの厚い協力を得て栽培され、食味検査で最高評価の<S>を獲得した能登の逸品です。
杉原さん親子の豊かなビジネス経験と、本物志向のセンスでプロデュースされる生産物に、これからも目が離せません