(愛犬といっしょにのんびり山あるき)
山をあるくのが好きです。
天気のいい週末はたいてい夫とふたりで山登りに出かけます。
山登りをはじめて約5年、昨年は夫婦で日本百名山(*)を完登しました!
…というと、よほどの山バカかアウトドア人間だろう、と想像されるかも。
でもそんなこと全然なくて、からだを動かすのは好きだけど、それほど体力がある方ではないし、近眼でコンタクトレンズだし、日焼けだって虫だって勘弁。どちらかといえば外で遊ぶのはあんまり得意な方ではありません。
はじめたころは苦しくて「せっかくの休みになんでこんな辛い思いをしなくてはならないのだ!」と、夫に八つ当たりして道道ケンカをしたものです。
なのに、翌週になるとそんなことはストンと忘れていそいそとまた山に向かうのだから、自分でも不思議…。なんでだろう?
なんとなく感じていたのは、山から降りると気分がすっきりしてモヤモヤしていたことが「まぁいいっか」と思えたり、
「あれやったら楽しいかも」と前向きになれること。
そんな話をこないだヨガティーチャーをしている友だちに話したら「それはまさに歩行禅だね」と言われました。
これは字のごとく、歩きながら禅を組む、瞑想するという意味があるそうで…。
(4月中旬頃、雪が溶けはじめ山肌がのぞく。ひたすら前へ前へ!)
詳しいことはよくわかりませんが、禅や瞑想は、心とからだを一定の場所に置いてあげることで、健やかでつよい心身を手にいれる手法のひとつ。
私たちはふだん、たとえば週末に楽しい時間を過ごしていても、心では「月曜日から気が重い仕事だなぁ」と考えたりして、心とからだはちぐはぐな状態に陥っているそう。
この積み重ねがストレスになって、からだを緊張させ→血流を滞らせ→冷えをまねき→不調となって現れる…そんな悪循環が生むのだとか。
だからときどき思いっきり何かに集中して、ちぐはぐな状態を断ち切ることが大事なんだそうです。
どうやら山に行くとすっきりするのは、あるくことだけに集中できることにあるらしい。
それ以外にも自然のパワーとかからだが鍛えられるとかいろいろあるのでしょうが、確かに登ってるときは他のこと考える余裕ないものなぁ…。
それが禅を組んでいるような状態をつくりだしていると。
よく人から「ストレスとか無縁そうー」と言われるのは、そういうことだったのねーと、合点。
というわけで今週末も、雪解けが進みつつある春の山へ。
ただいま天気予報と山情報とにらめっこしております。
*文筆家であり登山家の深田久弥氏が定めた名峰100座。
詳しくは「深田久弥著 日本百名山/新潮文庫」参照